2023年観劇まとめ

2年前からやってる観劇まとめ、今年もやるよ!!

今年までに間に合うか分からないけど頑張ってみる!

 

1月

ホリプロ「宝飾時計」脚本演出:根本宗子 東京芸術劇場プレイハウス

めちゃくちゃ評判が良くて急遽当日券で観に行ったやつ。評判がいいだけあって、すごく見やすくて面白かった。小池栄子の安心感と、高畑充希の安定感が印象的だった。あとフライヤーでも印象的な衣裳もふわふわヒラヒラで乙女心刺激された。

椎名林檎楽曲提供ということでラストの歌も圧巻だったし、物語にも沿っていたんだけど歌う必要があったかと聞かれると私はそこまで必然性を感じられなかったかな、、、。

成田凌、絶対クズだクズだと思ってドキドキしてみてたら純愛だった。

言葉の選び方が独特で好きだったな。あと舞台美術もパズルみたいで面白かった。

 

 

2月

悪い芝居「逃避奇行クラブ」脚本演出:山崎彬 本多劇場

メタバースの世界をテーマにしているのは面白かったんだけど、脚本が尻すぼみというか、綺麗な言葉で騙されている感じがしてあまり好みでは無かったかな。

あと言葉とか展開が冗長に感じた。

衣裳とセットが夢の中みたいでキラキラしていたのは印象的。

アフタートークがあったんだけど、ゲストの偉い人?が、面白く無かったって感想を話し始めて空気が地獄だったっていうことだけすごくよく覚えている。

せっかくなら気持ち良く帰らせて欲しかったな〜としょんぼりしてしまった。

 

フライドBALL「いちについてよーい」脚本:安藤亮二 演出:尾崎真一 theater brats

脚本が、大どんでん返し的な展開を狙って書かれていたのは良かったんだけど、大どんでん返ししたせいで中盤の会話とかが矛盾しかけていてスッキリしなかった。

あとひとり滑舌めちゃくちゃ悪い人がいて悪目立ちしてしまっていたのが気になったな。

小劇場の演劇、好きなんだけど狭いぶん、悪目立ちしやすいのが難点なのかもしれないと思った。

 

風凛華斬「Again!」脚本演出:吉田紳 阿佐ヶ谷シアターシャイン

うーーーーーーん、、、、、、、。って感じだった。

脚本も演出もアニメに影響を受けたんだろうなーと思いながら見てたんだけど、オープニングアクトがアニメのOPで良くみるやつのオンパレードすぎて恥ずかしくなっちゃった。

アニメに影響を受けて演劇を創ることは悪くないし、むしろ良いことだと思うんだけど

アニメをそのまま演劇に起こされると、「じゃあアニメで良くない?」と思っちゃうから

舞台の上とのチューニングをもう少ししてほしいと思った。

でも脚本演出の人はまだ若そうだったから、やりたかったことを全部詰め込んだんだろうなという感じがした。アニメを立体に起こしたこと自体はすごいと思ったから、まじで、誰だよって感じで申し訳ないんですけどここから頑張ってほしいなとも思った。

 

 

3月

泊まれる演劇「ホテルインディゴ」脚本演出:山崎彬 HOTEL SHE OSAKA

楽しかった!悪い芝居の山崎さんと相性がしぬほど悪かったからどうしようかと思ってたんだけどちゃんと楽しめて本当に良かった。

衣裳とマスクが藍色メインで本当に可愛かったよ〜。あと部屋の装飾も凝ってて細かくみるのも楽しかった。

キャストとお話しするイマーシブシアターは初めてだったから緊張したんだけど、キャストさんもみなさん上手い人たちが多かったから大丈夫だった。特に、胡散臭いお兄さんと2人きりでお話しした時に、色々質問されて「わかりません、、、」を連発してたら「何にも分からないんだね、君」とちょっと呆れられたのがウケた。

塩対応されると楽しくなっちゃうドMだよ。

「この話は私とあなただけの秘密ね」とか言われたりして、演劇特有の「共犯者」をより濃密に感じられたのも良かったな!

 

KAAT「蜘蛛巣城」上演台本:齋藤雅文赤堀雅秋 演出:赤堀雅秋 大ホール

言葉が難しかった。殺陣つけが渥美さんだと知って、太一さんと喧嘩しないかずっと心配してたんだけど、特に殺陣は破綻していなくて安心した。誰目線?

マクベスと言われたらマクベスなんだけど、でもやっぱり時代劇の側面の方が強かった気がする。難しかったランキングだと今年で1番かも、、。

黒澤さんの原作映画を見ていけば良かったって後悔した。

 

DAZZLE「百物語ー零レ桜」演出:DAZZLE  表参道のアトリエ

初DAZZLEプレミアチケット。一般チケットでは見せてもらえないものとかできない体験がたくさん出来て楽しかった!百物語は謎解きをお客さんに楽しんでもらうのがメインだったから、謎解き全然貢献できなくてごめんだったよ〜。でも、キャストさんが優しく誘導指示してくれたので、お手軽に民俗学者と記者の助手気分を味わえて良かった。金田さん可愛かった、、。(40代男性)

前、どこかで「SNS社会になって、エンタメが観るものから体験するものに変化してきてる」って聞いたことがあって、イマーシブシアターってその流行りにピッタリなのかもしれない。

 

劇団⭐︎新感線「港町純情オセロ」脚本:青木豪 演出:いのうえひでのり Brillia HALL

ブリリアの三回席一列目は悪!!!!!!!!

って駄々こねちゃうくらいしんどい席だった。とにかくしんどかった。もうあの席には座りたくない、、、。赤坂ACT返して、、、、、、。

内容はオセローに割と忠実で面白かった。劇団員大活躍って感じで、さとみさんと聖子さんとカナコさんが最高すぎて満足だった。三宅健松井玲奈はアイドルの煌めきが、二人の若さゆえの過ちにも見えてすごいキャスティングが合ってた。

でも作品自体は渋めであまり私には合わなかったかな。

 

 

4月

 Bunkamura「シブヤデマタアイマショウ」構成演出:松尾スズキ シアターコクーン

さよならシアターコクーンできて良かった。多部未華子さんがアニーやってて笑った。

数年前の初演?は途中で中止になっちゃってすごく悲しかったから今回最後までできて本当に良かった。松尾さんの演劇愛は捻くれてるんだけど直球で、松尾さんの演劇を見ると、恥ずかしげもなく「私は演劇が好きだー!」って叫べちゃうところがすごく好き。

今年松尾さんの新作なくて寂しかったから来年はあるといいな。小屋が無い問題をなんとかしてください。(心から)

 

ネルケプランニング「ダブル」脚本:青木豪 演出:中屋敷法仁 紀伊國屋ホール

紀伊國屋で爆音白鳥の湖が聞こえただけで涙ぐんでしまうつかこうへいの信者大歓喜作品。原作読んだことないから、BL風味作品と思って見に行ったらちゃんとBLでちょっとびっくりした。玉置さんの引っ張っていく力が強くて、玉置さんがめちゃくちゃ演劇好きなことを知っているのも相まってすごくハマり役に見えた。永島敬三が出てきた時の安心感もすごかった。劇団員LOVEすぎる。つかこうへいもBLも演劇も大好きな中屋敷さんが演出だからこそ成立した舞台化だと思うので、ネルケうまいな、、、と唸ることしかできない。感謝!

初級革命講座飛龍伝いつかちゃんと見たいな。

ゴーチブラザーズ「ブレイキングザコード」作:ヒュー・ホワイトモア 演出:稲葉賀恵 シアタートラム

面白かった。亀田さんのお芝居良かった。照明も白熱灯みたいなランプの使い方が印象的で良かった。

水田航生顔がいいな、、、、。と思っていたら前半終わってた。LGBTについて言及されつつも、悲壮感が漂っていなくてそこも良かったな。

あと、ラストの亀田さんが圧巻だった。言葉の渦に飲み込まれていく感覚。お客さんとして見ていて緊張感を味わえる演劇って貴重だから満足感高かった。

 

流山児★事務所「OKINAWA1972」脚本・演出:詩森ろば ザ・スズナリ

殺陣が怖かった。悪い意味で。安定感が無くて怪我しないか不安になったし、シンプルに上手じゃなかった。

いのうえひでのりが飛龍伝を演出したらこんな感じになりそうと思った。重い歴史をなるべく明るく楽しくという精神は良かった。あとスズナリを広く使っていたところも上手かった。

 

ホリプロ「マチルダ」脚本:デニス・ケリー 演出:マシュー・ウォーチャス シアターオーブ

原作の児童小説が好きだから、「あれをミュージカルに、、?」と懐疑的だったんだけど、ちゃんとミュージカルになってた!マチルダ役の女の子がすごく小さいのに歌うまいし、堂々とオーブの真ん中に立ってるのが眩しすぎて泣きそうになちゃった。歳をとったな、、、。

トランチブル校長を男性が演じるのはすごい分かるし、良かったんだけど、綺麗すぎたかなと思った。小説だと本当に嫌なやつだったんだけど、愛嬌があって少し好きになれそうというか。私は、好きになれる要素が一ミリも無いトランチブル校長が好きだったから、少し綺麗になってて(ジャイアン?)物足りなさがあった。

 

大人計画「もうがまんできない」脚本演出:宮藤官九郎 本多劇場

面白かったな〜〜。阿部サダヲ超かわいかった。内容がめちゃくちゃ不快なのに面白くて、キレッキレの悪意なのに楽し〜!って思えちゃうの、クドカンの観客コントロール力なのかなって思った。

皆川猿時さんの役が愉快なおじさんだと思っていたら、ラストの一言がめちゃくちゃ怖くてゾクってなった。お化け屋敷とか大っ嫌いだけど、演劇は「恐怖」を感じる瞬間が1番好きだから最高すぎて脳みそとけた。

インフルの時の夢みたいなプロジェクションマッピングインパクトあったな。

サダヲ可愛かった(2回目)

 

 

5月

DAZZLE「lost in the pages」演出:DAZZLE  上野ABAB

ダズルの新作たのしかった!!でも会場が狭くて、音の情報量が多すぎて処理が少しだけ難しかった。文豪のお話だから情念とか愛とか恨みとか、そういう重めの感情が踊りに込められていて、ダズルのダンスにすごく合ってるなって思った。

文字と光を使った演出好きだったな。編集者の輔田さんが可愛くてキュンだった。作家と貴婦人のダンスが妖艶で素敵だった。

ところで、お客さんとしてきてるのに写経する時間があるの面白かったな。

 

High Card「改説・八犬伝 闇夜に鴉 雪に鷺」脚本演出:長嶋真之介 シアターモリエール

2作品マチソワ。去年より見やすくなってた。創作物の翻案だからかな?

個人的には未来編(里見八犬伝本編)の方が好きだったな。より活劇感があって見やすかった。ここ削れば見やすいのに!とかここのお笑い減らせばいいのに!とかもったいなさを感じる部分もあったんだけど、全員に見せ場を作りたいと思うとこうなっちゃうんだよね。難しいね。

 

Bunkamuraエヴァンゲリオンビヨンド」構成演出:シディ・ラルビ・シェルカウイ シアターミラノ座

柿落とし前に色々と物議を醸したミラノ座だったけど私は好きだったよ!動線以外!

どの席も見やすそうだったし。椅子固かったけど。

窪田正孝の身体性に目を奪われた。すごかった。

脚本が、エヴァの原作を解体して再構築した感じ。見た瞬間は新しい!面白い!って思ったんだけど、冷静になって考えると、なんで再構築したんだ、、、?と疑問に思えてきた。

別にほぼ同じストーリーラインならシンジくんとカヲルくんの物語じゃダメだったのかなとも思った。でも、使徒と分かり合おうとするという考え方は、今の時代に合わせていて気概は好き。

 

劇団四季アナと雪の女王」演出:マイケル・グランデージ 四季劇場春

劇団四季に対して苦手意識を持ってたんだけど、母親に初任給のプレゼントで連れて行ったよ!でも面白かった。喋り方に対する苦手意識がずっとあったんだけど、少し自然に近くなってたのかな?まったく気にならなかった。なんでだろう。

エルサの早着替えのシーン、客席が「どよ、、、」となってて面白かった。ロングランだからこそできる、照明衣裳舞台セットのお金の掛け方がすごかった。

あと衣裳のドレス良かったな。ダンスの時に裾がふわってなるの良かった。

オラフの表現の仕方が人形浄瑠璃みたいで面白かった。

 

くによし組「チキン南蛮の夜」 脚本演出:國吉咲貴 OFF・OFFシアター

上演時間1時間と短いと思ったんだけど、すごい濃厚な会話劇で満足感あった。ずるさんの「可愛くない女」のビジュの作り方と演技が上手くて本当にいそうな感じが良かった。笑っていいのか真剣にみていいのか分からない絶妙さが面白かった。

劇場の広さ狭さに合わせた世界を見せてくれると、最高な気持ちになっちゃう。オフオフシアターがちょうど良い物語だった。

 

「恐怖コレクター」 脚本演出:畑雅文 草月ホール

児童書が原作だからか、短編集みたいな構成だったんだけど、それが物足りなさを感じさせてしまって満足度低めだった。

あと演出が、ところどころ学芸会みたいなただ立って喋るだけみたいな感じで、特にそれに対する効果も感じられなかったし手抜き演出?と思っちゃった。残念、、、。

プロジェクションマッピングだけ謎にハイクオリティだった。

 

劇団朱雀「祭宴」構成演出:早乙女太一 かめありリリオホール

あ〜!楽しかった楽しかった楽しかった!!!!!!

これは応援している人たちの現場だからとかの贔屓目を抜きにしてもほ本当に楽しかった。

前回の復活公演の時よりも、早乙女友貴さんに対する信頼が大きくて比重が増えてるのが分かって嬉しくなったし、その比重がよく分かるくらい友貴さんが成長していて最高だった。

日舞パートラストの主演の女、友貴さんが前に出てきてソロでジャズ踊り始めた時気が狂うかと思った。その時の太一さんは世界で1番いい女だった。

お芝居パートは森の石松の主演が友貴さんで、若干滑舌の甘い友貴さんと、吃音という設定の石松がピッタリで、殺陣の力強さもピッタリで超良かった。ちなみに、その時の太一さんの兄も笑いパートをしっかりと担えていて、こういう太一さんが見たかったの!って嬉しくなった。

舞踊ショーは、ボンボンガールにずっと気が狂ってた気がする。なんか、すごいもの見せられてしまったという衝撃がいまだに抜けない、、、。男性の姿で桂も無いし踊りも洋舞なのに赤い口紅が鮮烈で中性的な美しさがあって呑まれる感覚を味わった。

兄弟の舞も殺陣もただひたすらに美しかったな。

待たしたなとシェイクヒップも狂乱って感じでめちゃくちゃ楽しかった。観劇っていうよりもライブって感じ。最高の楽しいを提供してくれて本当にありがとうって思う。

太一さんは毎回全力で観客を楽しませようとしてくれて、どうしたら喜んでくれるのか考えながらパフォーマンスをしてくれるから、安心して観客として身を任せられるところが好き。

 

MCR「死んだら流石に愛しく思え」脚本演出:櫻井智也 ザ・スズナリ

色んな意味でグロテスクで、でも面白くて笑ってる、そんな観客が1番グロテスクな構造が良かった。

グレープフルーツ食べたくなった。告白読んだら牛乳飲めなくなったけど、グレープフルーツは食べたくなった。

狂気をシンプルに日常的に表現しているのが好感持てた。母親役の人に対する嫌悪感が印象深い。声の抑揚とか身体の見せ方とかそういうものの一つ一つに「嫌だ」と思わせる要素があってすごかった。

 

 

6月

マーベラス「吸血鬼すぐ死ぬ」脚本演出:村上大樹 銀河劇場

個人的には、あまり好きじゃなかったんだけどめちゃくちゃ評判よくて今年1番世間とのギャップを感じた作品だったな。

原作を知っていたらもう少し面白かったのかな。コメディの芝居がクドすぎて私は笑えなかった。

2.5って難しいよね。原作を知っていることは前提で作られているんだろうけど、原作を知らない、キャストファンも呼ばないと採算は取れないことの方が多いし、その場合は原作を知らない人でも楽しめることがベストだと思う。けど、それをすると原作の味が薄れることもあると思う。

ベストは原作を知らない人でも楽しめるし、知っていたらもっと楽しめることなんだけどなかなか難しいよなああ。

 

シアターノーチラス「水槽」脚本演出:今村幸市 東中野REFT

bgmが無いまま会話だけで持たせていてすごかった。しんどく感じる瞬間が無かったのは脚本のうまさなのかも。

会場の狭さに合わせてもう少し演技抑えめでも良かったかなと思った。

さっき書いた、箱に合わせた物語作りにも繋がるけど、空間に合わせた演技も大事なんだなと思った。

 

Bunkamura「パラサイト」脚本演出:鄭義信 シアターミラノ座

江口のりこ古田新太の安心感!!木村緑子の凄まじさ!

ただひたすら大御所俳優の旨さに舌鼓を打てるような演目だった。でも炎の演出が映像にしちゃったのが残念だった。「泣くロミオと怒るジュリエット」の紙テープ使った火事の演出好きだったから悲しかった。

あと関西大震災を入れ込んでいたのは良かったんだけど、パラサイトでやる意味があったのだろうか、、。と考え込んでしまった。一生ロミジュリに囚われているタイプのオタク。

でもラストシーンの語りは良かったな、、。鄭さんは希望の見せ方がすごく上手というか、儚い夢を見せてくれる感じが好き。カーテンコールの演出も泣けた。

古田新太斬殺シーン(語弊があります)息が詰まるかと思った。怖さと哀れさが共存していてとにかく悲しかった。

 

かるがも団地「M.O.S.ヤングタウン」 脚本演出:藤田恭輔 space EDGE

倉庫みたいな会場、面白かった。こういう会場の雰囲気活かした作品見てみたいな。

ただ声がかなり反響していて聞きづらかったので工夫が必要かな。作品自体は、蓬莱竜太の渦が森団地に近い息苦しさを感じた。団地という閉鎖空間に対する共通認識なのかな?

舞台美術がおもちゃ箱みたいで可愛かった。

カーテンコール、私との温度差が若干あったよ。しょうげきじょうならではかな?

 

NODA・MAP「兎、波を走る」脚本演出:野田秀樹 東京芸術劇場プレイハウス

芝居上手い人たち大好き〜!最高〜!高橋一生がフェイクスピアの時よりも感情が多い役で楽しめた。

松たか子さんと高橋一生のラストの掛け合いがすごく切なくて、あの映像とのクロスがずっと印象に残ってる。

あと最初のシーンの板の使い方めちゃくちゃ面白かった!!!秋山菜津子さんが強すぎて笑っちゃった。なんか女優役多いんだけど、秋山さんって雰囲気がめちゃくちゃ大御所の女優っぽいんだよね。

多部未華子さんの「お母さん」と泣き叫ぶ声とそれを聞く松さんの顔が悲しくて印象的。

題材は、終演後にネットで検索するまで分からなくて、自分の無知無関心さにめちゃくちゃ腹が立った。野田さんの芝居は怒りが根底にあるから説教っぽい題材になりがちなのに押し付けがましさを感じないところが好き。

「もう、そうするしかない現実」に行ってしまわないように踏ん張りたいと思えた。

 

 

7月

劇団チョコレートケーキ「ブラウン管より愛を込めて」脚本:古川健 演出:日澤雄介 シアタートラム

兎と打って変わって、説教くさくて押し付けがましくてしんどかった。「差別」ってなんだろうって真剣に向き合ったのはいいんだけど、直球すぎて演劇みにきたと思ったら、道徳の授業受けさせられたのかと思った。

社会問題に創作者がどう対峙するのか。そのテーマ一本に絞っても良かったんじゃないかと思った。あとプロデューサー役がステレオタイプの嫌な役で「お前が悪いじゃん、、、」となってしまったので道徳にすらなりきれていない感じがした。

数年前に劇チョコの戦争ものを見たときに感じた「一歩間違えたら説教になるな」の一歩間違えちゃった感じ。

 

ディスグーニー「アルカナシャドウ」脚本演出:西田大輔 サンシャイン劇場

木崎ゆりあめちゃくちゃ芝居上手くなっててびっくりした!良い役をもらっていたのもあって、すごく好きになっちゃった。可愛かったし殺陣もうまかった。

ただ長かったな。疲れちゃった。舞台の転換が人力だったのかっこよかったし面白かった。

準主演の人が代役の村田洋二郎さんだったんだけど、あっさりした感じが「いそう」な安倍晴明になってて良かった。

 

DAZZLE「lost in the pages」演出:DAZZLE 上野ABAB

2回目!プレミアムで入っちゃった。超楽しかった。作家のエヤマさんがめちゃくちゃかっこよくて溶けるかと思った。

カメラ渡されて記者会見の手伝いしたりして、前より物語に介入できて楽しかった。

 

 

8月

RUP「熱海殺人事件battle royal50s」作:つかこうへい 演出:岡村俊一 紀伊國屋ホール

久しぶりにつかさん見た気がする。開演前の岡村さんのお話、真面目で面白かった。

差別はいけないっていうよりも、徹底的に差別をしてみる方が観客の印象に残るとかは創作する上で大事だよなと思った(劇チョコの方向を見ながら)

佐々木ありささんの水野朋子、強めの水野で好きだったよ!多和田さんの金ちゃん、ベビーフェイスで可愛かった。荒井さんの伝兵衛の安定感も良かった。全体的にレベル高めの熱海で楽しかったよ!!良かった!

 

 

9月

銀河鉄道の父」脚本:詩森ろば 演出:青木豪 自由劇場

方言がかなり本格的で聞き取りが少し辛かった。

病死の物語、個人的にはあまり好きじゃないから刺さらなかったんだけど周りには泣いている人がたくさんいて、塩梅としては良かったんじゃないかと思う。

 

ホリプロ「スリルミー」演出:栗山民也 東京芸術劇場シアターウエス

今年意外とホリプロ見てたな、、、。松岡私山崎彼ペアだったよ。身長差!!!

99年がほんとうに怖くて松岡私のキュルンって可愛かった人が怖さを出していくの悲鳴あげそうになった。

山崎さん、身体が大きくて歌も上手いんだけどそれが必死に虚勢を張っているように見えて辛かったし面白かった。大きい身体を必死に縮めて「死にたくない」と叫ぶ彼、興奮した、、。最低な感想。

前見た時にも思ったけど、彼と私とピアノだけしかない空間がふたりぼっちの世界に感じられて好きなんだよね。あと殺害シーンに役者が姿を消して、照明だけで表現するの、栗山民也が観客を信じてくれているように感じて嬉しい。

観客と信頼関係を結べる演出家っていいよね。

 

劇団☆新感線「天號星」脚本:中島かずき 演出:いのうえひでのり シアターミラノ座

早乙女兄弟揃って新感線でもう一回見られるとは思わなかったのよ!!!間違いなく今年で1番情報解禁がハッピーだった現場。

太一さんが新感線のオープニングとエンディングの真ん中にいるの最高すぎて夢かと思った。

照明がキラキラ光って兄弟にピンスポあたってタイトルがバーンって出るのめちゃくちゃ良かったよ。

劇団朱雀にいる太一さんがすごく好きなんだけど、朱雀みたいな太一さんがでかい劇場で観られたのも幸せだったし、かっこいい役のイメージが強い太一さんがたくさんの観客の前でいっぱい笑いをとってて幸せだった。

あと古田さんの歩き方とかのトレースが上手すぎて流石身体性バケモンだった。

 

 

10月

文学座「逃げろ芥川」脚本:畑澤聖悟 演出:西川信廣 紀伊國屋サザンシアター

若松さんに恋した学生時代を思い出せた。

若松さんと瀬戸口さんのペア最高すぎて、私のための芝居なのかと思った。

若松さんの一人称僕の天才作家芥川も、不憫枠で才能ある友人を尊敬しながらグラグラした劣等感抱えてる菊池寛も超良かった。たくさんの女性が出てくるところも上質なコメディって感じで楽しめたし、ラスト、天国へと向かう列車に、芥川と菊池寛が憑き物が落ちたような晴れやかな表情で乗車しているのがなぜだか眩しくて、

カーテンコールで菊池寛を演じる瀬戸口さんを見る若松さんの表情が優しくて、もうとにかくメイン2人が最高だった。

期待していたより遥かに楽しかった現場1位です間違いなく。

 

 

11月

DAZZLE「Unseenyou」演出DAZZLE    シャレイ白金

ダズル新作!2年前急に沼に突き落とされたVoTの前日譚的な物語で楽しかった。画家役の荒井さんをずっとストーカーしてたんだけど、鍵師との絆の物語がベタなんだけど切なくて泣きそうになった。

あと、長谷川達也、支配者の役が似合いすぎて笑った。そんなに白スーツ似合う人いる?

今までのダズルの現場って、建物の一室とか1エリアとかだったけど、今回は建物丸々一棟使っていて、没入感が強かった。あと音楽センスがめちゃくちゃ良い。かっこよかった。鍵師と盗賊のチュートリアルダンス好きだったな。

あと、終盤の画家の悲しみを表現するダンスも言葉を使うよりも感情をダイレクトに伝える方法って感じで良かったな。

 

劇壇ガルバ「砂の国の遠い声」脚本:宮沢章夫 演出:笠木泉 東京芸術劇場シアターウエス

難しかった作品その2。しっとりとしてるんだけどどこか面白くて、ずっと不思議な空気が漂ってるんだけど、それが日常な異質さがあって良かった。

出演者全員安定した上手さがあって楽しく観れたのも良かった。

 

KAAT「SHELL」脚本:倉持裕 演出:杉原邦生 大ホール

クロマキーを使った美術と演出面白かった。なんだか不思議な話だったなあ。という印象。

伏線を散りばめておいて回収しないのは倉持さんの手癖なのか、、、。

ラストシーン、春3月の清々しさと切なさが同居している感じが心地よかった。

アンサンブルの身体酷使、パンドラの鐘の時もあったけど、印象的だった。

倉持さん、古典作品の演出っていうイメージがあったから現代劇の演出のイメージ沸いてなかったんだけど意外とハマってた気がする。

 

 

12月

柿喰う客「骨はダラスに埋めてくれ」脚本演出:中屋敷法仁 ザ・スズナリ

永田紗茅が天才!!!大好き!!!あの声の張り方、舞台のいかた、表情全部が好きすぎる。若手の舞台女優で1番好き。最近みた柿の中でも扱っていることはセンシティブなんだけど雰囲気は爽やかで観やすかった。衣裳可愛かったなあ。

21年入団組がたくさん出ていて良さがいっぱい出てたのも良かった。

 

柿喰う客「肉食獣」脚本演出:中屋敷法仁 ザ・スズナリ

観劇3日前くらいに関係者インフルエンザで照明音響衣裳無しバージョンでやりますって言われた時泣いたって思ったけど、出演者6人の役者力が感じられて結果的に良かったな。

ちゃんと1時間持ってたのがすごすぎる。加藤ひろたかはロンTに黒ズボンでも身体が滑らかなのが分かりました。

骨ダラも含めなんだけど、今回の柿はいつもより劇団色が強かった気がする。劇場が小さかったのもあるけど、一人一人がすごい印象に残った。両方とも観れて良かった!

 

DAZZLE「Unseenyou」演出:DAZZLE シャレイ白金

観劇納めはダズルだったよ〜!今年めっちゃ通ったな。楽しかった!

庭師か憲兵追いかけたいな〜くらいの軽い気持ちだったんだけど、オープニングに出てきた築さんの庭師にメロメロになって基本的に庭師についてたよ。

築さん、細身で身長高くて踊り方がとってもエレガントなのに雰囲気や表情が冷たくてとても健康に良さそうだった。

私お客さんなのに、築さんにジャケット着せたり帽子被らせたり、お酌したりしててウケた。

盗賊さんもめちゃくちゃ微笑みかけてくれるしちょっかいかけてくれるし好きになりそうだったな、、、。

楽しい観劇納めになって良かった。

 

総評

終わったー!!今年は41本見れた。

別にたくさん観たから偉いとかそういうことは思ってないんだけど、自分がどれだけ観劇にお金と時間を割けたのかは気になっちゃうよね。

 

なんだか今年、面白い作品は何本もあったんだけど、観終わった後放心してしばらく何も考えられなくなっちゃうような観劇体験が一個もなくて物足りなかったな。

私が変わったのか、作品選びが悪かったのか、世界が変わったのかどうなんだろう。

来年は一本くらい、頭ぶっとんで最高になれちゃう作品に出会いたいな。

あと、演劇以外も色々観たいしもっとちゃんと感想をアウトプットしたい。

去年も言ってたけど。

 

2024年もよろしくねー!!!